Q:磁石を使う入れ歯は体に悪影響はないの?
A:磁石を使用すると磁場が発生します。
体に悪影響を与える磁場は、時間的に変動する変動磁場といわれるものであり、入れ歯に使用する磁石で発生する磁場は時間的に変動しない静磁場といわれるものであるため問題ありません。
静磁場は血液循環をよくしたり、骨折の治癒を促進するなど生体にプラスになる研究がなされています。
心臓ペースメーカー本体に入れ歯に使用する磁石を直接触れさせるとパルスの変化が起こることがありますが、お口で使用する分にはほとんど問題ありません。
Q:磁石をつけてMRIは撮影できるの?
A:磁石本体は入れ歯側についています。
お口には磁石に吸い付く金属がついています。磁石を使用していない入れ歯の場合でもMRI撮影の際には入れ歯を外すよう指示されます。
磁石を使用している入れ歯の場合でも入れ歯を外せば磁石はお口から外れます。お口についている金属をつけたまま脳のMRIを撮影してもほとんど影響ありません。(実際に身内で撮影してみましたが、影響ありませんでした)
ただし、お口のまわりをMRIで撮影する場合、金属をつけたままだと影響が出ます。当院では、磁石に吸い付く金属を専用の器具で取り外しできるシステムを採用していますので、必要な際には取り外してMRIを撮影することができます。
Q:磁石は吸い付かなくならないの?
A:電子レンジなどで温めたり、入れ歯をはめたままMRIを撮影しなければ磁力の減衰はありません。
Q:CO(シーオー)って何?
A:COとはQuestionable Caries under Observationの略のことで、「要観察歯」と呼ばれています。
学校健診等で、目で見て色が付いている歯や、歯と歯の間にむし歯が疑われる歯をCOとしてチェックし、歯科医院で詳しく調べるようにしています。COは直ちに削ったり、つめたりする必要がない場合が多いですが、放置した場合、6ヶ月後には20〜30%がむし歯に進行しているという報告もあります。また、永久歯のむし歯発生率は萌出後4年間が高いと言われており、精密検査後にシーラントによる予防充填を行ったり、ご家庭でもフッ素を用いて再石灰化(さいせっかいか)の促進を行ったりしながら、定期的に歯科医院で経過観察を行うことが望ましいです。
Q:金属を使った総入れ歯には補助が出たのに、部分入れ歯には補助は出ないの?
A:ここでいう補助とは正しくは特定療養費制度といい、自由診療の一部を保険で給付する制度です。
入れ歯においては総入れ歯(総義歯)のみが対象になり、部分入れ歯や総入れ歯でも磁石を使用した入れ歯は対象外になります。
特定療養費制度を利用して金属を使った総入れ歯を作成する場合、歯科医院に掲示してある額から保険で総入れ歯を作成したものとみなした保険相当額を差し引いた額を患者さんより特別の料金として受領します。ただし、金属を使った総入れ歯を希望されても、お口の中の状態によって歯科医学的に不適切の場合もありえます。
下の前歯の永久歯が乳歯の後ろ側から生えてきましたが、大丈夫でしょうか?
A:永久歯の大きさは、生えてきたばかりの頃も大人になっても変わりません。
特に下の前歯の永久歯は乳歯に比べて大きいので、生えたばかりの頃は並ぶスペースが足りないことが多いです。幅の大きい前歯の永久歯が乳歯1本分のすき間に生えてくるのは難しいのです。大抵の場合、乳歯の後ろ側から生えてきて、2番目の乳歯が抜けたり、顎が成長してスペースができるようになると自然と舌で押されるような力が加わり乳歯と同じ位置に並んできます。なかなか乳歯が抜けない場合は、歯科医院で抜いてもらう必要があります。