1.安全確認(安心の提供)
患者さんの全身状態について確認します。
高血圧や脳梗塞、心筋梗塞など歯科治療時の麻酔や出血を伴う処置により全身状態に悪影響を及ぼす恐れのある場合には主治医の意見を参考にします。歯科治療が危険と判断した場合には当日中に処置を行えない場合もあります。
2.応急処置
全身状態に問題がないことを確認後、痛い所、困っている所の治療をまず行います。
1回の治療で痛みが止まったからと言って治療を中断してしまうと、気づかないうちに虫歯や歯周病は進行してしまう場合があります。その結果、歯を抜かなければならなくなることや、他の部分にも症状が拡がることがありますので、治療を開始した歯は最後まで治療するのが望ましいと思います。
3.検査、審査
痛い所、困っている所が落ち着いたら全体なチェックを行います。
歯や顎は全体のバランスで成り立っています。悪いのは1本だけと思っていても他の歯にその歯を悪くする原因があったり、その歯が他の歯に悪影響を及ぼしていることもあります。
4.検査、審査
検査、審査に基づき、治療内容、期間、費用等について説明します。不明な点、不安な点は遠慮せずにご質問、ご相談ください。 歯の治療は毎日の食事で歯を使えるようにしながらの治療になりますから、かめる部分を確保しなければなりません。また、複数の歯がとけていたりしてかみ合わせが確保できない場合、仮の入れ歯などでかみ合わせを作ったりしなければなりません。そのため遠回りな治療をされていると感じる方もいらっしゃるかもしれませんので、納得いただけるまで何回でも説明します。
5.治療開始
治療内容が決まりましたら、実際の治療を開始します。治療の途中でも内容変更は可能ですので、いつでもご相談ください。
6.リコール(メンテナンス)
上記の治療が終わりましたら、お口の中の状態を維持していく段階に移ります。
具体的には、数ヶ月ごとに定期検診を行い、歯や歯ぐきのチェック、クリーニングを行います。
定期的にお口をチェックすることにより、むし歯等の早期発見、早期治療が可能になります。
歯は毎日使うものです。きれいにしているつもりでも汚れがついたり、過剰な力により負担がかかり傷んでくることもあります。一度むし歯を治したからもう安心ということはありません。長くご自分の歯で食べられるように定期的にメンテナンスを行いましょう。
治療の流れを結婚に例えると・・・
患者様が初めて歯科医院に来院されたときは「出会い」に当てはまります。歯医者も患者様も人間ですから文字通り「出会い」になります。患者様は歯科医院というより歯医者に期待と不安を持って来院するケースが多いと思われます。まずは不安を取り除き、安心して治療を受けてもらえるようにすることが大切です。これが上記の説明では1ないし2に当てはまります。
患者様のお口に中の状態をよく調べて、治療計画を作成することが「デート」に当てはまります。恋愛が発展するためには相手のことをよく知ることが大切になります。歯科治療でも治療の前の審査、診断が大切です。上記の3に当てはまります。
治療前に患者様に説明することが「結婚の準備」に当てはまります。治療する側もされる側も十分な理解のうえで進めなければなりません。上記の4に当てはまります。
実際の治療は「結婚」に当てはまります。結婚はゴールでなく人生のスタートであると言われています。治療後のメンテナンスは「結婚生活」に当てはまります。小さな問題であっても、対応を先送りするとボタンの掛け違いが生じ、離婚につながることがあります。そうならないよう定期的に悪いところがないか歯科医院でチェックすることが望ましいと思います。上記の5、6に当てはまります